2018年7月更新
名曲セレクション〜ロマン派の宝石箱〜
宝石のような名曲のセレクション
Program:
ショパン ノクターン嬰ハ短調 遺作
バラード 第1番 ト短調 op.23
バラード 第3番 変イ長調 op.47
「幻想即興曲」op,66
リスト 「ため息」 S.144 R5 No.3
ベートーヴェン ソナタ 「テンペスト」より 第3楽章 op.31-2
ブラームス 「黄昏に」 (ソナタ第3番 へ短調 op.5 第2楽章)
アルベニス 「プレルディオ」(「6つのアルバムリーフop.165」より)
グラナドス 「オリエンタル」(スペイン舞曲集より)
トゥリーナ 「サクロモンテ」 (「ジプシー舞曲集)より)
その他
場所:さくらホール
渋谷区文化総合センター大和田
東京都渋谷区桜丘町23-21
03-3464-3251
注:曲目は都合により変更になる場合がございます。
チケット
入場料:4000円 (前売り3000円)
ハートシート(車いすと介添えの方、学生):2,000円(前売り 1,500円)
日時:2018年9月2日(日) 18:50開場 19:15開演
お問い合わせ:文化発信促進委員会(CSPC)
チケット販売: マザーアースオンラインショップ チケットぴあ
![]() |
![]() |
2016年3月という最も美しい季節にサントリホールでリサイタルを行う事になりました。全く
無名の私にとってサントリーの、しかも大ホールでのリサイタルを行うという事があるなんて
、本格的に音楽活動を始めた2001年には思いもしませんでしたが、いろいろな方々の応援に支
えられて、ピアニストとしての幸せに恵まれました。ただただ感謝です。
3月という春の希望に溢れた日がずっと続くように「Forever”(永遠に)」とタイトルをつけま
した。
前半はベートーヴェンの2つのソナタを演奏します。両者は聴力を失うという致命的な病に侵さ
れたベートーヴェンが書いた、「ハイリゲンシュタットの遺書」の前と後に書かれています。
全てを乗り越えた彼の見事な再生の軌跡です。そして後半は20世紀のアメリカの新ロマン主義
の作曲家バーバーが第二次世界大戦の後で書いたソナタ、この曲は作曲技法に関しての記述は
いろいろありますが、この曲を書いた背景に関してはあまり知られていません。ただ、戦後間
もない時期に書かれたという事と、ロシア人のピアニストホロヴィッツが初演しているという
事から、バーバーの世界観が垣間見える気がします。そのソナタと16世紀ルネサンス後期の作
曲家パレストリーナの「スタバトマーテル(悲しみの聖母)」を題材に、思い切って自由な音
楽表現をしてみたいと思います。
今回のピアノはベーゼンドルファーインペリアルを使用します。
私は実はピアノという楽器に対してマニアックでして、演奏したピアノの種類(製造年代も含
めて)は数知れず、また、所有したことのある楽器も自分でもあきれた多さです。それぞれの
楽器の「声」が聞こえ出すと心がときめいてしまいます。現在はベーゼンドルファー、ニュー
ヨークスタインウェイ、1935年製のベッヒシュタインと、「3人」のみに落ち着いていますが
・・・。
その大好きなベーゼンドルファーの、文字通り最大のインペリアルで演奏できるのも嬉しいこ
とです。ベートーヴェンの活躍したWienで生まれた楽器です。
そしてこのリサイタルを2011年3月11日東日本大震災、1945年3月10日東京大空襲、3月に起こ
った2つの大きな悲しみへのレクイエムとしたいと思います。この世紀が希望と夢に満ちた世界
であることを祈りつつ…。